なかおか珈琲の珈琲豆は、全て紀州備長炭のみを使用した炭火焙煎です。なぜ、弊社は炭火焙煎にこだわるのか、そしてなぜ高級な紀州備長炭のみしか使用しないのか・・・
@焙煎とは
珈琲豆は焙煎をすることで、美味しい苦み・酸味・甘み、そして芳香が引き出されていきます。
焙煎とは、簡単に言うと、珈琲の生豆を加熱し水分除去を行うことです。
ただし、美味しい珈琲を作るためには、この加熱と水分除去のバランスと効率が非常に重要となります。珈琲の生豆は加熱すると、水分は豆の表面から抜けていき、内部の水分は表面に移動してから抜けていくため時間がかかります。(実際には、センターカット部分から熱が入っていき焙煎は進行していきます。)内部の水分が十分に抜けない状態で、表面の温度が上がっていくと外側と内側での焙煎の進行に差が出てしまい美味しい珈琲にはなりません。なので、豆への熱の伝え方が非常に重要となってきます。
A紀州備長炭で焙煎する理由
○ 熱源の水分
焙煎で珈琲豆の水分除去を行うわけですが、ガス火には多くの水蒸気が含まれてしまっています。このため、生豆の水分含有量や、その日の湿度などにも影響を受けやすくなります。その点、紀州備長炭は原木であるウバメガシを焼いて備長炭を作る際、原木の水分を完全に出してしまうので水分の含まない熱源となります。
○ 炭の熱
ガスコンロの前で手をかざしていても、熱いとは感じても身体が暖かくなることはないですね。逆に炭火でバーベキューやたき火をしている前にいると、身体が内部から暖まってくる経験はあることと思います。
ガスの火は空気を温めて、その後空気の流れで表面から内部に温める対流熱であるため、表面と内部の温度差が大きくなり、焼きムラができやすくなります。炭火は空気に関係なく、物を直に温める放射熱であり、表面のほか、放射を吸収した内部からも加熱されます。このため,加熱効果が大変良く、また加熱速度も早いのが特徴です。ゆえに、珈琲豆の中までしっかり火が通り、焼きむらがなく焼き上がります。
また、紀州備長炭を燃やすと表面に白い灰が発生しますが、これは「セラミックス」と呼ばれる物質で、近赤外線という遠赤外線より波長の短い電磁波を放出します。近赤外線は食材などの表面から数ミリにまで浸透し熱源となるため、より加熱効果が大きく、珈琲豆を均一に焼き上げることができます。
○ 紀州備長炭と他の炭と違い
日本で焼かれている木炭は、大きく分けて「白炭」と「黒炭」に分けられます。紀州備長炭は「白炭」の高級品として有名ですが、この「白炭」と「黒炭」の大きな違いは、炭を焼く時の窯の温度と焼き方、そして焼き上がるときの火の消し方で、その炭質はまったく異なったものになります。
同じ原木をやいた炭でも、白炭と黒炭とでは、たとえば炭素、酸素、水素、灰分などの成分も、かたさ、発熱量、火つきや火もちのよさなどの性質(燃焼性)も違ったものになります。
「黒炭」・・・
白炭にくらべて炭質がやわらかで、火付きがよく、立ち消えも少ない。
発熱量が白炭より低く、ピーク時の熱量の持続性に欠ける。
「白炭」・・・
炭質が固く、着火させづらい。黒炭に比べ高価。
発熱量が高く1,000度程度まで上昇させることができ、燃焼時間が黒炭の2〜3倍長い。炭自体に水分を含んでいないため、水蒸気をほとんど含まない熱源となる。黒炭に比べ赤外線量が多い。
白炭の中でも紀州備長炭は発熱量・燃焼時間・赤外線量が高く、水分含有量は一番少ない炭です。